第4日目 〜八雲〜長万部〜ニセコ〜小樽〜札幌 |
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◇鉄道の旅◇ 昨夜はとても早く寝たので、目覚めたらありえないほど、さわやか。 カーテンをちらりと開けてのぞくと、昨日よりは薄い雲があったが、いい天気だった。 私とSが起きた頃には、Pはもう鉄に出かけてしまっていた。朝早いなぁ。 八雲駅発8時12分の特急列車に乗る。 八雲駅で「八雲せんべい」というミルクせんべいを朝食代わりに買い、 列車に乗り込んだ。 朝一番の特急(寝台をのぞいて)ということもあり、自由席はかなりいっぱい。 長万部まで40分くらいだから、私達は立って行くことにした。
途中の無人駅のホームで、鉄をしているPを発見(笑) 8時30分長万部に到着。 私達はここで、あのあるものを買うために下車。 そのあるものとは、昨年の私の旅行記にも登場した、長万部名物「かにめし」。 私が特に食べたいのは、あの「海苔の佃煮&缶詰のみかん」だったりして(笑)
乗り換えの列車は9時08分発なので、30分ほどしか余裕はない。 あわてて、駅前にある「かなや」へ行ってみると、うわぁ!すごい行列。 15人くらいは並んでいただろうか。 出来立てが買えるから、みんなココに来るのかなぁ? 殆どが、車で来ている人みたいで、駐車場に入らないで、路駐してる車も数台。 間に合うかなぁ〜、品切れにならないかなぁ〜と、かなり心配したけど、 10分程で無事に手中に収め、いざ次の目的地へ!! 小樽行きのホームには、一両編成のかわいい列車が待っていた。
列車に乗り込み、4人がけのボックスシートに二人で座った。 ココまで来る間は人がいっぱいいたのに、この列車に乗り込んだとたん、 時間が止まったみたいだ。乗客は10人くらい。 高校生か大学生くらいの男子グループが近くに座っていた。 「今日はさすがに混んでるね・・」 なんて話しているのが聞こえてきて、思わずSと目を合わせて、ビックリ! さて・・・・ひざの上にある「かにめし」、なんだかすごくあったか〜い・・・・、 「この後さ、目的地に着いて、景色のいい場所を探して、そこで食べようね!」 つい数分前に二人で話していたのに、あまりの温かさと、 駅弁を食べるには申し分の無い車内の雰囲気に・・・ 「やっぱ食べよっか(笑)」 発車する前に、開封するありさまだった・・・(笑)
◇車窓からみた羊蹄山◇ 出発してしばらくすると、線路が山深く入っていったのがわかった。 先ほどまで見えていた、うっすらと緑色の風景が、ほとんど茶色の風景に変わってしまった。雪が残っている部分も増えてきた。 それでも、よく見ると雪解けの湿地帯にはたくさんの水芭蕉が生えていて、 全然退屈しない。 長万部を出発して、目的地ニセコ駅までは約1時間半の汽車旅だが、 この分なら居眠りする暇もなくあっという間についてしまうだろう。 山の中を走っていたかと思うと、突然街が見えて、視界が開けてきた。 遠くのほうに、白い山並みがはっきりと見えて、私達(だけ)大興奮。 このまま行けば、羊蹄山もくっきり姿を見せてくれるかなぁ〜。
気が付くと上り坂がかなりきついのか、歩く程のゆっくりな速度で深い山の中を走っていた。車内はものすごく静まり返っていて、まるでこれから現われるものに、息を潜めているようだった。 突然、右手側の車窓が明るくなった。 そこからは、とってもきれいな羊蹄山の姿が! ずっと車窓には無関心だった他の乗客もさすがに、「ほーっ」と眺めている。 ・・・・すばらしい。 Sと私は、天気が悪かったら、ニセコ駅ではなく、昆布駅で降りて、温泉に入ろうと言っていた。 どうやら、温泉はお預けになったみたいだ。
最初の予想通り、あっという間に一時間半が過ぎてしまった。 ◇ニセコでちょっと散歩◇ 10時36分、ニセコ駅到着。 駅前のバス停から有島記念館へのシャトルバスに乗ろうとしたら、 ちょうどいい時間のバスが無いらしく、途中のバス停までしか行かないという。 まぁでも、歩いても一キロ〜2キロくらいだそうなので、とりあえず、その途中まで乗ることにした。 バスがニセコ駅前にある、急なカーブした坂道を登ると、その正面にデデーン!と羊蹄山が見えた。 バスの運転手さんに道を教えてもらったが、 山に向かって歩いていけば、看板があるからそこを左に曲がる・・・ただそれだけ。 天気もいいし、山はきれいだし、なんだか何時間でも歩いていられそうな気分。 私もSもこんなにきれいに羊蹄山を見られたのは初めてで、興奮していた。
有島記念館へなぜ来たかというと、前日、大沼の観光館でニセコのパンフレットが置いてあり、パラパラと見るうちに一枚の素敵な写真を見つけた。 交通の便も良さそうだし、Sと晴れたらここに行こうか・・・と相談していたのだ。 その写真と同じような風景が、そこには広がっていた。
◇有島武郎を学習する◇ Sと私は、彼について何も知らなかった。 そういえば、高校の文学史で名前が出てきたかなぁ・・?くらいのものだった。 せっかく時間もあるので、420円で入場し、しっかりと学習することにした。 ちなみに、受付で荷物を預かってくれたので、旅の途中でも手ぶらで見れて助かった〜。 最初は展示物を「ふーん」てな感じで、さくさく見ていたが、 途中、アナウンスがあってミニシアターで、彼のことをまとめたミニ映画をやってくれるというので、Sと見に行った。 ・・・・・・・うーむ。 「波乱万丈だ!」 私もSもそれを見終わった後、彼のなんともスキャンダラスな人生に興味津々(笑) 先ほどは適当に見ていた展示物を、もう一度、今度はよーく読んだ。 「なんかドラマになりそうな人だよね。」 「ほんとだね、彼をとりまく人のことも、もっと詳しく知りたくなるよね。」 どうしてこうも、女性と言うのはスキャンダル好きなのか・・・(笑) 彼の文学作品は映画やお芝居になっていたようで、それに関した展示物もあった。 私は、今度2時間ドラマなんかでやってくれないかな・・・ と思ってしまった。(本読めよ!) 「「或る女」って面白そうだよね。下の売店で売っていたから、買ってこうかなぁ〜」 そういっていたSだったが、売店でその本の厚さを見て、 「やっぱやめとく」・・・と言った(笑)
子供向けにイラスト入りで書かれた「ひと房の葡萄」を読んでみた。 子供のころのいろんな思い出が、不思議と浮かび上がってきた・・・・ ◇さよなら・・・S、また会う日まで◇ 鉄を終えたPと合流。 3人で記念撮影を、このでっかい羊蹄山バックに出来るとは、○○女の私には想像もつかなかったので、感無量。 そして、3人でめぐる最後の目的地、小樽へ向かった。 Sは小樽から、JRの快速エアポートに乗って、千歳空港に向かい帰りの飛行機に乗る。 3人で最後に新南樽市場へ向かった。この辺りから、雨が降ってきた。 私もなんとなく寂しい気持ちで、テンションダウン・・・。 Sは、激安生ホッケ数匹と、漂白されていない生数の子を購入し、 旅の土産にするという。 そのみやげ物チョイスが、やっぱり大先生ですね(笑) 彼女の一風変わった・・・イヤイヤ失礼(笑)、 好奇心旺盛な、みやげ物チョイスには、Sの母もずいぶんと困っているらしい(笑) どうやって食べたのか、また今度会った時に聞くことにしよう。 そうして、あれよあれよといしているうちに、あっという間に別れの時間がやってきた。 時間もないので、市場から近くの「南小樽駅」で別れることになった。 南小樽の改札で別れたものの、彼女が行ってしまうまでやはり見送りたいと思い、私とPは駅のホームを見下ろすことができる場所から、手を振った。 列車が来るまでは、Sの面白ポーズに笑っていたけど、いざ列車に乗り込んで、窓越しに手を振るSを見たら、無性にせつなくなってしまった。 3日間という短い時間だったが、強烈な思い出の数々を残してくれたSに感謝の気持ちでいっぱいだった。 Sがいてくれたおかげで、私とPとの喧嘩ムードもずいぶん和んだものだ。 ほんとに、ありがとう。楽しかったね。またあう日まで・・・・
◇雨、そして札幌に◇ ラジオの天気予報で言っていた通り、天気が崩れた。 今日からしばらくは最悪なコンディションになるらしい。 今回は釣りをすることを行程に組んでいたのだけど、日本海側の街を周ることになっている明日、明後日と、ひどい天気になるそうなのだ。 小雨なら、かわいいもの。明日からは、暴風雨だって言うのだから・・・・。 結局今年も釣りできないのかな・・・私達はめっきりテンションダウン。 こうなると、何かにつけて喧嘩になるものだ・・・。 小樽港で数人の釣り人が、雨にも負けず竿を出していたので、 Pも旅の記念にと、やってみたけど、あたりなし。 周りの人も全然釣れてないし、タイミング悪いんだよね。 ますます・・・テンションダウン・・・・。 札幌が今日の宿泊地。GW真っ只中のすすきのは、お祭り状態!人だらけだ! 地元の人も多いだろうけど、あきらかに観光の人という感じの人間の多いこと! いやビックリ。 ここまで静かなところにいたので、久々の人の波を見て、ドーっと旅の疲れが出てきたような気がする。 適当に入った居酒屋もラーメン店も、自分たちの好みに良く合っていて、 明日の朝食の分まで食べて大満足。(つまり・・・たくさんってこと)
ちなみに、ラーメン店で食べるチャーハンが大好物である(笑) 近頃の人気店は、ラーメン専門店なため、私はあんまり行く機会がない。 ラーメンとチャーハンとギョウザ・・・この夢のトリオで札幌の夜を締めくくった。 こんな夜は、雨が降っていようと最高である。 5日目に続く・・・ |
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